2024.8.31
「足し算」のガーデニングと「引き算」の造園

ガーデニングと造園の違いとは?
こちらの記事では、私たちの考える理想の庭について、また代表である中島の経歴や会社のことなどをお伝えしていきたいと思います。
今回は「ガーデニングと造園」をテーマにお伝えします。
ガーデニングは「足し算」、造園は「引き算」
お庭に関連した言葉で、「ガーデニング」と「造園」があります。ベルサイユ宮殿のような洋風の庭が「ガーデニング」、皇居のような和風の庭が「造園」というイメージがあるかもしれません。これも1つの見方ですが、私たちdirect nagomiでは「足し算」がガーデニング、「引き算」が造園、という風に考えています。

詳しく説明すると、ガーデニングでは花や木をたくさん植えていきます。さらに、レイアウトを細かくデザインしたり、豪華な装飾をしたりなど、「足し算の考え方」をよくします。
一方、造園のベースにあるのは「どう要素を減らしていくか」という「引き算の考え方」です。日本庭園には、ヨーロッパにある宮殿のお庭を埋め尽くすような噴水や花壇は基本的につくりません。水を流すとしても、水路のような人工的なものより、高低差を活かした小さな滝のような形でこしらえます。

ガーデニングは「人の手を加えてより美しいものをつくろう」とするのに対して、造園は「できるだけ自然の形を再現しようとする」とも言えそうです。ガーデニングの基本にあるのは、元来自然界にはない「左右対称」という考え方。はたまた造園では、木や花という自然の存在を活用して、「人間の考える美しいデザイン」をつくり上げていきます。
お庭の方向性が日本と西洋で異なる背景
このように、日本と西洋でお庭の方向性が異なっています。一節によれば、「狩猟民族と農耕民族の違い」がその理由だとされています。狩猟民族の多い西洋では、「自分たちの力を示すような庭」が発達したのに対して、農耕民族の多かった日本では、普段から慣れ親しんでいる「自然を模した庭」が好まれた。そんな通説があります。
こうした背景から、ガーデニングでは「つくり込まれた美しさ」こそが魅力であるため、主張は強くなる空間になるのかもしれません。一方で、造園では「余計なものを置かない」ことが侘び寂びという独自の魅力に通じるので、おとなしく見えるのでしょう。

ガーデニングを自分で楽しめるお庭を手掛けることも
少し話が変わりますが、「ガーデニング」という言葉には、庭だけでなくベランダに花を植えるという意味もあります。実際に、自宅の庭を使って趣味でガーデニングをやる人も多いですよね。「庭いじりが好きな人」には、お庭全部を花で埋め尽くしたい人が多く、「足し算」の考え方でつくられたガーデニング的な庭の方が合っている印象です。
私たちもお庭づくりを依頼された際に「自分で花を植えるスペースを作って欲しい」「ここは自分たちでつくりたいからそのまま残しておいてほしい」というご要望を受けることがあります。こうした場合は、花壇の形で残したり、ご自身での作業をやりやすいように防草シートの下に植栽で使える土を入れたりなどの工夫をしています。

私たちとしても、あくまで庭は住まわれる方のものなので、完成したあとは自由に手を加えていただいて問題ありません。ただ、それが「自分で花を植えたい」という気持ちからではなく、「プロにメンテさせると高くつく。だから仕方なく自分でやる」ということだと、少し残念なところ。そういうことも考えて、私たちはあまり手入れの必要がないお庭を基本的には提案するように努めています。とはいえ、自分でガーデニングを楽しみたい方には、希望をかなえたお庭をデザインしますので、ぜひご相談ください。
本テーマについて、境目研究家の安田さんと対談した記事はコチラです。
