2024.7.10
庭づくりに石を取り入れるには?施工事例から学ぶ石材の種類とデザイン術

「石」を活かすdirect nagomiの庭づくり
代表の中島は、京都の老舗造園会社で庭師としてキャリアを始め、数多くの日本庭園で木や石の手入れに携わってきました。(その内容に関する記事はコチラ)。
そのため私たちdirect nagomiは、雑木や庭石を取り入れたお庭づくりに関するノウハウを豊富に持っています。
「庭づくりに石を採り入れたい!」と思っても、石材の種類や施工方法、また選別基準など考えなければいけないことが非常に多く、なかなか手が出しづらいのが、庭石という分野。
そこで今回の記事では、お庭に関する石についてあまり詳しくない方でもわかりやすいようにまとめたいと思います。心を和ませる景観には欠かせない庭石について、丁寧にご紹介していきますね。
目次

お庭や外構・エクステリアを彩る石要素
・門柱
私たちへの製作依頼が多いものの1つ、門柱。その多くが家の表に位置するために家全体の顔つきを左右する大事な要素です。特に私たちがつくる時には、お家・お庭全体のバランスに合わせて、門柱の石材やデザインなどを決めています。既成の門柱を挿げられるお家も多いと思いますが、門柱をオリジナルなものにできるとお庭づくりの満足度も大きく上げられるように思います。

・石柱
字の通り石でできた柱のことです。庭づくりの際には、さまざまな用途で利用されます。門柱や植栽と組み合わせて景色をつくったり、お客様のご希望で外からの視線を程よく遮るために用いることもあります。塀を建てて視線を一切遮ってしまう場合と比較して、門柱の隙間から向こうの景色が見えることで抜け感が生まれ、庭全体の景観も損なわずに済みます。

・景石
庭の中に景色として配置する石のこと。景石を置いた箇所を中心に庭の重心が取れるため、置き場所を決める際には細かく調整を重ねます。景石として使われる石も色味や岩肌が特徴的なものなど、存在感のあるものが多いです。

・コンクリート
駐車場やアプローチを手掛ける際によく利用するコンクリート。セメント(原料の大部分が石灰石)・水・砂・砂利で構成されています。コンクリートを上手に活かした外構・エクステリアづくりは、コストを抑えながらもご希望に沿ったお庭をつくるために有効な手段のひとつです。表面の仕上げに工夫をすることで、モダンにもナチュラルにもトーンを調整できます。

・石畳
アプローチなどに平石を隙間なく敷き詰めます。「甃」とも書くようです。ヨーロッパの道路などは石畳でつくられているイメージがありますね。石畳の発祥は西洋だそうです。とはいえ、和風のお庭にも多く取り入れられています。用いる石材の種類や大きさ、色によって印象も変えられるのが魅力です。

・白川砂利
白系の御影石を細かく割り、敷き詰めたもの。白い砂利が一面に敷き詰められると美しく清廉な印象が生まれ、日本庭園では水の流れを模すためによく用いられているように思います。純和風のお庭づくりには必須の要素です。

・玉砂利
いわゆる砂利より少し大きめで丸い石のことです。種類が豊富で、色も白や黒や五色石などがあります。玉砂利も和風のお庭をつくる際によく用いられます。たとえば植栽の周囲に敷き詰めると雑草も生えにくくなりますので、メンテナンスの手間を抑えるのにもおすすめ。

・割栗石
岩石を割ってつくった石材です。大きさはそれぞれバラバラですが、だいたい10-30cm。砂利や玉砂利と比べると角が残り、ゴツゴツした印象があります。その印象を活かし、他の砂利や石、コンクリート、植栽などと組み合わせて使うことが多いかもしれません。お庭を和らいだ雰囲気にしてくれます。

・砕石
割栗石と同様に岩石を粉砕機で砕いて作ったものですが、大きさがおおよそ6cm以下のものを砕石と呼んでいます。対して割栗石は10cm~20cmのものですね。砂利は基本的に自然石であるのに対して、砕石や割栗石は人工でつくったものです。どちらも石の組み合わせに幅を生んでくれます。

・沓脱石(くつぬぎいし)
リビングなどの室内やバルコニーから高低差のある庭へ出入りする際に踏み台として据える石です。建物と庭の間の境界的な役割も果たし、出入りの負担を軽くしてくれます。機能面に加えて、沓脱石にはお庭を美しく見せる役割もあります。

・飛石(とびいし)
古くから日本庭園に採り入れられてきた飛石。白川砂利と組み合わせて配置することが多いかもしれません。間をあけて配置することで庭内の移動の足場としての機能を果たしますが、特に雨天時には足を汚さずに移動できるため重宝します。

石材の種類
庭の中に用いられる石の役割をいくつかご紹介してきました。次は、石材の種類も説明していきます。ここですべてを挙げることはできませんが、岐阜に根差した私たちがよく使う石材を中心にご紹介していきたいと思います。
・岐阜石
別名チャート石とも呼ばれています。虫などの生き物の殻が堆積されてできた石です。角があって表面はゴツゴツ。全体的には茶色をしていますが、青やピンク、赤、白などが混じっていて色味がゆたかです。景石や土留めなどに使われることが多いです。

・御影石
正式名は花崗岩。石材の名称として御影石と呼ばれています。マグマが地下深くでゆっくり冷却されて固まった石です。耐久性に優れており、門柱やアプローチなどお庭のさまざまな構造物に使用されます。色の種類は、グレーや黒、白、赤などさまざまなので、建物やお庭全体とのバランスを考えてセレクト。

・大理石(トラバーチン)
石灰石(貝や動物の遺骸等が海の底で堆積して形成されたもの)がマグマの熱と圧力で再結晶化したもの。アプローチやステップ(階段)、テラスなど、高級感ある外構・エクステリアに仕上げることができます。

ちなみに、私たちはヴィスタストーンというインドで採掘される輸入石材をよく使っています。

・スレート石
二酸化ケイ素を主成分とする動物の殻や骨片が海底に堆積してできた岩石です。石英石とも呼ばれており、組み合わせ次第で上品な外構・エクステリアに仕上がります。

・レンガ
一般的に広く知られた石材になりますが、レンガは粘土や泥などを焼き固めたものです。古くから西欧の建築材料であったように、外壁や塀などとして洋風のお庭にはぴったり。

・タイル
レンガとやや似ていますが、石・珪石(ガラス成分)・粘土を混ぜて高温で焼いて薄くしたものです。お庭では基本的に床に用いることが多いかと思います。種類やデザインが多様であることがタイルの利点です。

庭石の積み方
景石のように一つの石を置くことで景色をつくることもありますが、複数の石を積み高さを出したり、山を模したりすることもあります。その積み方にもさまざまな種類があります。ここでは代表的な3種類の積み方をご紹介します。
・崩れ積み
山の岩が崩れて重なったように積む手法です。石が自然と積まれた風に見え、自然な里山の風景を感じさせます。この積み方をする際には大きめの石を使うことが多いため、重機の取り回しができるやや広めの敷地が必要になります。

・野面積み
大きさや形もバラバラな石を組み合わせて隙間なく積み上げる手法です。石同士がぴたっと嚙み合うように、現場で細かく石を加工しながら積んでいきます。多くの日本のお城では、野面積みによって石垣がつくられてきました。

・小端積み
薄く細長く加工した石を何層にも重ね、その層が横から美しく見えるように積む手法です。印象的な仕上がりになり、門柱など家の顔つきづくりにも活用できる積み方です。ただ、美しく耐久性高く積むためには、積み手の技量が求められます。

庭石の張り方
積み方にいくつもの手法があるのと同様に、石を敷き詰める際にもさまざまなやり方があります。ここでは、庭づくりの際に石を張る代表的な手法について説明していきます。
・乱張り
石をさまざまな大きさや形にして張っていく手法です。隙間なく張ることで雑草対策にもなり、お庭にも彩りが生まれます。バランスのよい乱張りを仕上げるには技術と経験が求められ、実際に張っていくスピードの目安は1日1.5〜3平米ほどです。
※ちなみに300角や300×600角など四角または長方形の石を張る技法「方形乱張り」という手法もあります。お寺など和風のお庭でも古くから取り入れられてきた伝統的な手法です。

・ピンコロ張り
ピンコロ石は、10cmくらいの正方形の石材です。この石材の張り方をピンコロ張りと呼んでいます。石のカラーがたくさんあり、お庭をおしゃれやかわいいデザインにしたいときにはおススメ。

・板石張り
その名の通り、地面に板石を敷いていく技法です。高級感を生み出したり雑草が生えるのを予防したりといったメリットがあります。敷きすぎると圧迫感が強くなるので、お庭とお家全体のバランスを考えながら、板石の量を調整しています。

コンクリートの仕上げ
コンクリートを利用するときは仕上がりが単調な印象になりがち。だから私たちはできる限り仕上げを調整してお庭の印象と調和させるようにしています。ここでは、よく使う仕上げ手法を2つご紹介しておきます。
・洗い出し仕上げ
洗い出しは、コンクリートが完全に固まる前に、表面に硬化を遅くする薬剤を散布し薬剤が蒸発しないようシートをかけ、12時間以内に流して中の砂利を見せる手法です。

・金ゴテ仕上げ
金ゴテ仕上げは、コンクリートが乾き切る直前にコテで表面を磨く手法です。フラットでモダンな印象に仕上がるのが特徴。洗い出し仕上げと組み合わせると、コンクリートでも表情にバリエーションが作れます。

選定基準
これまで庭石に関するさまざまな要素と手法をご説明してきました。実際の庭づくりでは、石材の種類、積み方や張り方など無限ともいえる組み合わせの中から、お家や周囲の風景と調和するものを選び、組み合わせながら施工していきます。たとえば石の色を決めるときには、お家の色と合うものを選ぶなど、さまざまな要素同士がぶつかり合わないように緻密に計算して組み合わせていくのです。
特に私たちdirect nagomiは、施工後のメンテナンス面への配慮を大切にしています。たとえ見た目が美しくても、住む方に大きなメンテナンス負荷をかけるようなお庭は基本的にはご提案しません。長年お庭づくりに携わってきたプロとして、責任を持って総合的な「いいお庭」をおすすめいたします。

庭石の大変な点
では記事の最後に、庭石に関する注意点だけお伝えして締めていきたいと思います。お庭のDIYなども人気ですが、こと庭石に関しては専門家でないと扱いきれないこともありますので、下記内容をよくお読みになった上で、必要があればお気軽にご相談いただければと思います。
・重機の使用
大きく、気品あるお庭を手掛ける際には、板石の設置や石積みなどで、時には100キロ以上の石を扱うことがあります。重い石を活用・配置するには人力だけで運搬・設置するのは厳しく、重機やクレーンが必要です。料金・施工期間も余裕を持って計画に組み込んでおく必要があります。あくまでも目安としてですが、重機を用いた石積みでは、1日5~10平米ほどを想定するのがよいかと思います。

・石の処分
お客様のライフステージの変化など、状況によって今ある庭石を処分したい時があるかもしれません。お庭リフォームの過程で不要になった石は割って砕石として利用したり、コンクリートを打つ際にスペーサーブロックに用いたりなど、最大限活用できるようご提案します。
ただ、どうしても再利用が困難な場合もあるため、処分費をいただいて処分することもあります。大きい石はセリ矢と呼ばれる楔で30センチ角ぐらいにしてから処分しますので、人件費も含めてそれなりの費用になることもあります。選択肢を幅広く取るためにも、お早めにご連絡ください。

・庭石のメンテナンス
意外に思われるかもしれませんが、石にもメンテナンスが必要です。たとえば木の樹液などで庭石が黒ずんでしまったりすることも。そんなときには、キッチンハイターやカビキラーなどで洗えば落ちることもあります。よりきれいにしたければ、高圧洗浄機の活用も有効です。それでも対応が難しい時には、お気軽にご相談ください。

以上、石を活かしたお庭づくりについてご紹介してきました。近頃は、「雑木の庭」「石の庭」というキーワードでdirect nagomiを見つけてくださるお客様も多く、四季を感じられる庭や外構をご提案したい私たちとしても嬉しいです。
庭石は味わいや趣が感じられる空間を生み出してくれます。そのような空間の中で過ごしたい方には石を取り入れた庭づくりはおすすめ。
これからお庭づくりを検討されている方は、ぜひ私たちにご相談ください。
これまで作った庭の写真なら、direct nagomiの施工事例をご覧ください。
お庭づくりをお考えの方、外構リフォームにお悩みの方、家や街並みと調和する、あなたとあなたの家族の為だけの庭づくりをしませんか?
施工時だけでなく、施工後のメンテナンスにも配慮しながら、あなたの想いを反映させたオリジナルなお庭(「ガーメント」)を提案します。
愛知県から岐阜県にかけて、美濃加茂市・可児市・関市・富加町・坂祝町・岐阜市・各務ヶ原市・多治見市・土岐市・愛知県犬山市・小牧市での庭づくりならdirect nagomiにおまかせください。
境目研究家の安田佳生さんとの対談企画
「ガーメントデザイナー中島秀章がつくる庭 四季の装いがある家」
お問い合わせはこちらからいつでもどうぞ。